文学少女の最新刊、読了。
えっと、実はもともと別の本を探しているところに遠子先輩の表紙を見つけて、とにかくこっちが先だ!と思い即買い。裏表紙の紹介文も帰ってから読んだ。
今度のは番外編。シリアス展開の5巻から一転、時系列としては2巻のあと、夏休み。麻貴先輩がメイン。題材は泉鏡花。金沢三文豪の一人。


物語の舞台は「北陸」とあるんだけど、鏡花なら金沢なんだろうか?
しかし北陸を甘くみてはいけない。バスも通らない僻地から歩いて山を降りても、バスはともかく駅があるような所には出ないよ。
まあでもなんか、うん、事件や物語に異常性があるとしたら土地柄も一枚噛んでいるように思うのは先入観か。北陸なら違和感ないなぁ、という。
麻貴先輩の姫倉への憎悪とか、自由を象徴するような流人くんとか、80年前の事件の謎とか、文学少女が読み解く物語とかももちろん良いのですが(ネタバレになりそうなので自重)、
全体的に、最終巻への伏線になっている。
いつもより格段に少ない手記は【ネタバレ自重】だったり、遠子先輩が酔ったり。ちょ、ちょ、心葉くん、あんたほんとに「気付いてるくせに気付かないふりをしている」? それともただの鈍感? ねぇ、このきゅんきゅんする気持ちをどうしてくれるのー。
あぁ、でも絶対、ハッピーエンド以外にはない。物語を読み解いて、かわいい後輩の三題噺を糧に、周りの人に希望を与え続ける文学少女が、自分ひとりだけ涙を堪えて綺麗に微笑んでるなんて、そんなの嫌だ。
最終巻読んで泣かないだろうな私…。だって、だって、帯のあの文句をちゃんと文脈の中で読んだら…。んんんー。

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

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