ハサミ男」の映画を借りてきた。映像化は不可能だと言われた同タイトルの小説(原作は殊能将之)を映画化。映画化って話を聞いたときから興味はあったのだけれど、こないだツタヤで見かけたのでこれは借りねば!と。新作だから半額クーポン使えなかった。まあいいや。
で、これがなんと、つまらんかった。ストーリーもオチも知ってるからというのもあるんだけど、なんかなぁ。小説読んでたときの「やられた!」という叙述トリックが、映像にするとなんとも安っぽくて「えー、こんなオチかよー」みたいな、しかも大して驚愕も衝撃もないオチになっていた。叙述トリックとしては確かに古典的なトリックなんだけど、ちゃんと徹底して成功して面白かったのだ。映画は、その「映像化は不可能」と言われた所以の部分のために、台詞まわしから容易に仕掛けに気付きやすくできていて(わざとかな?少なくとも小説はラストあたりまで自然だったよ)、トリックを成立させようとするがためにエンタテイメント性が弱かった。
あれならやっぱり小説の方が面白いよ。さすがに主人公目線の葛藤なんかは盛り込まれてなかったしなぁ。ただ、不可能といわれた映像化をやり遂げたのは評価しておこう。成功かどうかはさておき…。あ、主人公が「拳銃自殺ができる」と呟いて拳銃持った警官に駆け寄って引き金引く寸前に微笑む、その微笑みはとてもキレイで印象的でした。うんうん。