卒業式も後期合格発表も終わった大学に行って何をやっていたかというと、なんか民俗学を掠めた話を4テーマほど聞いてきました。研究発表に近いんだけど、もう、趣味の世界だ。
えっと……。どこまで書いて良いのか分からんのですが、主催をしている某氏と先日知り合って。その某氏が中国の妖怪について語るというのでホイホイ行ってみたわけです。
中国。妖怪。黙っていられません。
が、黙って聞いていました。帰って来て、シャワーを浴びて、しばし考えて、ようやく、ぼんやりと見えてきた気がします。んんんー。その、まだ、論を固めている最中なんだよね? まだ固まっていない部分が、引っ掛かって仕方ない。
前知識が全くないジャンルのお話は無心になるほど、へぇー、と興味深く聞けるんだけれど、こういう自分のフィールドに近い話をされると、中途半端に齧った知識が、論旨の理解を助けることもあるし妨げることもある。卒論も結局は神怪的な部分をほとんど無視した形で論を組んだからなあ私。ほんとうに趣味で読み聞きした偏った知識しか持ってないし。未だに今日某氏が語った事をあんまり理解しきれてないと思う。
でも、思う。林巳奈夫のいう「古代中国の神がみ」は、某氏の論ずる「広義の妖怪」に、はたして本当に含まれるのか。論に登場しなかったぞ。天帝を頂点とする秩序立った世界にある「神」と、中国神話で語られる「神」はなんか違う。
王権論に絡む怪異を「妖怪」から排して、王権論に絡まない怪異は「妖怪」として所謂「怪異」と対比させるというのなら、もうちょっと詰めないと無心に頷けない。あと、やっぱ、時代的なものって見ていかないとだめだと思うし、時代や地域による差異を考慮に入れないのなら入れないで、考慮に入れていない理由が知りたい。
んー、まあ、30分だか1時間だかで中国の妖怪について語ったところで語り尽くせるものではないと思うんだけど。私も未だ自分が何を理解できて何が引っ掛かるのかが整理しきれてない。
某氏の集中講義とかあったら受講したい(笑)。


卒論を書くときに一番気を付けたのは、全然違う分野の人に「こじつけじゃん!」って言われないように、きちんと説明して納得されるだけの根拠をそろえること。理系の人と接すると特にそう思った。なので、実は、民俗学的な手法というか考え方というか、そういうのを論に組み込むのが怖い。興味があって読むのは良いんだけど。ああ、いや、文献があれば良いのかよって話じゃないんだけど…。どうしても現代じゃなくて古代とかに興味がいっちゃうからさ……。古代の人に直接聞き取り調査するわけにもいかないからさ、文献に頼らざるを得ないじゃないか。ね。信用できる文献かどうかってのはまた別の問題だけど。うーん。うーん。
その文献が実は捏造されていたりいたらどうするんだ、と、よく理系の人が言うのだけれど、それはもうねえ。まあ、ね。突き詰めていくと、証拠不十分で無罪、みたいな話になってしまうからなあ。
難しいなあ。面白いし好きだけど、難しいなあ。