湯桶読み - Wikipedia
重箱読み - Wikipedia
こういうのって、あんまり知られてないんだろうか。
ここ何ヶ月かの間に、「重箱読み? 何それおいしいの?」っていう反応を何回かみていて。
熟語は音読み+音読み、訓読み+訓読みという原則があるのはほとんどの人が知ってるとは思うんだけど(学校で習うはず)、あくまで原則なので例外がよくある。「残高」「台所」は重箱読み、「手帳」「豚肉」は湯桶読みだ。他の例は上記リンクでどうぞ。あと「何それおいしいの?」って思った人もどうぞご一読ください…。「積読(つんドク)」なんてのも一種の湯桶読みか。


源氏名を「げんじめい」と読んでいる人がいたので「げんじな」だよ、と突っ込みをいれたら、何で音読み+音読みじゃないんだ、と反論された。んや、そんな、論理でがちがちの言語じゃないからね日本語って。変動してるし。ググル先生に聞いてみたらやっぱり「げんじめい」は誤読ですよって言われた。でもググル先生曰く、一部の業界用語として「げんじめい」を挙げていたので、本当の一部業界では誤用を承知で使ってるのかも知れない。知らない業界なのでなんともいえないですが。
でもこういう、学校で習わないことって、やっぱり本読まないと分からない。私が経済とか国際情勢とか知らないのと同じ…。え、普通にニュースとか見てたら分かるでしょ、って言われたって良く分かんないものは分かんない。日本語も、普通に本とか読んでたら分かるでしょ、ってつい思ってしまうけど、自分の身に置き換えたらそんなこと言えない。


重箱は、たぶんもとが「お重」と「箱」だから「ジュウばこ」って読むんだと思う。やまと言葉と漢語が混じってるんだと思うよ。推測だけど。


森博嗣がちょっと前にブログで言ってたのが、「若い人たちの間で、『読めない』層がいる」って。一字一句じゃないけどそんな感じ。反語とかが通じないらしい。「八つ」を「はちつ」って読む小学生とか「個」でしか数えられないとか(量詞は奥が深いけどね!)、ケータイ小説(笑)の崩壊した日本語で不自然さを覚えない層とか、きっとそういう事だと思う。
みんなもっと本読めば良いのに。って思うよ。
ケータイ小説が入り口でも、活字を読む事に慣れてくれたら、それはそれでアリだと思うんだけどねぇ…。ライトノベルだって本当にライトなやつは原稿用紙の使い方無視してるやつもあったじゃないか。巨大フォントとか(笑)。(でも日本語読めたはず…)
ちなみに売れ行き1位のケータイ小説は読んでないのでコメントを差し控えますが、レビューや周辺の噂を聞く限りでは、買う代金も読む時間も費やすに値するとは思えないので、手にとるつもりはありません。確かに装丁は綺麗だけどね。まだ『インストール』は日本語が崩壊してはいなかったよ。くっそつまらんかったけど。
売れているものが必ずしも良いものとは限らないよね…。
でも、携帯電話で良質の小説が読めたら良いなぁ、とは思います。「ケータイ小説」という言葉が、今とは違う使われ方をしている未来がきっとある筈だ。


ところで日本語崩壊のケータイ小説(笑)は出版に当たってまともな校正者がつかなかったのか? それとも指摘を全部「ママ」にしているのか? それとも編集部の意図で崩壊させたままにしている(校正から筆者に疑問を出させていない)のか? ざっと指摘を見ている限りでは漢字の誤変換とかはないみたいだから。それにしても「読めない」読者層に合わせた文章ってこういうことなのか?(反語) 少なくとも、読めない層だからこそ、間違った日本で書かれていてはいけないと思うんだが。間違って覚えちゃうよ。ていうか個人の日記だってそんな日本語崩壊してねーよ。
素人が書きましたよーだから日本語が馬鹿でも大目に見てくださいねーこれが昨今の女子中高生にウケてるんですよー、ということだろうか…。
すげぇよなぁ…。いや、色んな意味で…。これはこれで世相を反映しているんだろうね…。早く次の段階に移行すれば良いと思う。
重箱読みとは論のレベルが違うけどね…。


日本語好き、言葉好きとしては悲しいな。
「げんじめい」がいずれ許容例になってそのうち誤読じゃなくなるにしたって、「うる覚え」が定着したって、日本語の大きな流れがそうなら仕方ない。変化は仕方ないけど、衰退は悲しいな。


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